ポジション整理一巡に期待。戻りを試す展開か
3/21~3/25の米国株式市場は、需給環境の改善を見込んでおり、徐々に戻りを試す展開を想定する。
ポジション整理の一巡と月末のリバランスに向けた期待感が相場を下支えすると考える。3/18に株式と株式指数の先物と現物の期日のクアドルプルウィッチングを通過し、損切等のポジション整理はある程度一巡してくるものと考える。昨年末からの株式や債券のベンチマークの指標の変化を踏まえると、アセットのバランス維持には株式に押し目買いが必要と考えられる。3月末のリバランスでは株式への買いフローに期待。コロナショック時の2020/3はクアドルプルウィッチングの翌営業日が底値となり、月末に向けリバランスの買いが入り反発のきっかけになったと考えられる。
ただ金融政策は当時と異なりかなりタカ派で警戒も必要と考える。3/15~16のFOMCでは25bpの利上げが実施された。通年で今回合わせて7回程度(1回=25bp)の利上げ見通しが示され、残りの全会合での利上げの可能性が高まった。物価は22年のPCEデフレーターの見通しが12月時点の2.6%から4.3%に引上げられた。量的引締めに関しては、声明文で"a coming meeting"と単数形で今後の会合から量的引締めを開始すると表現し、5月開始はほぼ確実と見られる。かなりタカ派な内容で警戒は必要と考える。
この他中国がウクライナ問題に関して制裁を受ける可能性もリスクと考える。この場合の米経済への影響は対ロ制裁とは比較にならない位大きくなるため、リスクシナリオとして認識しておきたい。
(3/17朝記 投資調査部 藤本)