関税協議の進展やパウエル議長の動向に注目が集まろう
4/28~5/9の米国株式市場は、神経質な展開を想定。
足もとでは、FRBの独立性が損なわれることへの懸念から「米国離れ」が進む場面もあり、関税リスクも相まって市場のボラティリティが高止まりしている。「恐怖指数」とも呼ばれるVIXは、4/3以来30pt前後以上の高水準で推移している。もっとも、4/22の米国株式市場は大幅に上昇。ベッセント財務長官が米中貿易摩擦の緩和を見込む発言をしたと報じられたことが追い風となったようだ。また、ホワイトハウスの報道官は「18カ国から提案が文書で寄せられている」と明らかにしており、今後は各国との関税協議が進展するにつれて買戻しの動きが出てくると考える。
5/6~7にFOMCが開催される。パウエルFRB議長は利下げに慎重な姿勢を示していることから、政策金利は据え置かれるとの見方が強い。注目されるのは会見での発言になりそうで、トランプ大統領の批判に対する言及の有無や内容次第では、FRBの独立性が改めて意識される可能性があろう。
4/22、国際通貨基金(IMF)は四半期に1度の世界経済見通しを公表した。米国は25年が1.8%、26年が1.7%とし、前回の1月予測から各々0.9%pt、0.4%pt下方修正となった。トランプ大統領は景気減速を「短い移行期間」としているが、IMFは景気後退に陥る確率を37%とした。
トランプ関税による景気後退懸念と併せて米国資産の信用基盤が揺らいでおり、不安定な相場展開が続くことが想定される。目先は、ディフェンシブ銘柄や長期投資以外は戻り売りの戦略を意識したい。
(4/23記 投資情報部 岩井)