関税措置の交渉進展や合意による高値更新に期待
6/16~20の米国株式市場は、確りの展開を想定。
6/6、S&P500は2/21以来約3カ月半ぶりに6,000pt台を回復した。貿易摩擦緩和への期待感と底堅い企業業績等に支えられ、4月に付けた安値4,982.77pt(終値ベース)からの上昇率は20%を超えた。S&P500は足もとで心理的節目6,000ptを挟んで足踏みが続いているが、関税措置について7月の猶予期間中に貿易相手国・地域との交渉進展や合意が確認されれば市場に楽観的な見方が広がり、高値更新も見えてこよう。
物色面では、人工知能(AI)のサービスに関連する銘柄の動意が予想される。米クラウド大手によるAIへの投資拡大が伝わっている。AI需要の増加、エコシステムの構築、セキュリティーなどへの需要の高まりにつながるだろう。
6/17~18にはFOMCが開催される予定だ。足もとではFOMCメンバーから利下げに前向きな発言も出てきたようだ。しかし、5月FOMC後の会見でパウエルFRB議長は様子見を続ける考えを強調していたため、政策金利は据え置かれる公算が大きい。むしろ市場参加者の関心は四半期に1度公表される経済見通しに向かうだろう。5月雇用統計では、非農業部門雇用者数は13.9万人増加して市場予想を上回り労働市場の底堅さが確認された一方、5月のISM製造業・非製造業の両景況感指数はそれぞれ好不況の分かれ目となる50を割り込んで着地した。米経済指標に一部弱さも目立ち始めている中、前回(3月)のFRBの見通しと比較してどのような変化があるかに注目が集まろう。
(6/11 記 投資情報部 岩井)