FOMCへの警戒感先行も、通過後の買戻しに期待
9/19~9/30の米国株式市場は米CPIが高止まりしており、FOMCへの警戒感が先行しそうだ。通過後は一旦材料出尽くしとなると思われる。
8月の米CPIは前年比8.3%上昇し事前の予想を上回った。CPIの高止まりや9/7のブレイナード副議長の発言をハト派と捉え、株価は一旦戻りを試した反動から、FOMC前にハト派期待が高まる可能性は低く、事前に警戒感が広がりそうだ。
FFレート先物は9/20~21のFOMCでの75bpの利上げを織り込んでおり(9/14データ取得時点)、ドットチャートの形状が注目されよう。FFレート先物は23年前半にFFレート上限が4.5%に達した後、6月分のドットチャートの水準に引っ張られ、年後半にかけての利下げを示唆する形状となっている(図1参照)。FRBが23年中の利下げ開始を示唆する可能性は低く、波乱要因と考える。ただ事前に株価が調整すれば、発表後は一旦材料が出尽くしとなり、戻りを試すと考える。
一方、S&P500 e-miniの投機筋のネットショートは約23.8万枚あり依然大きく売り越している(9/6時点、図2参照)。下落局面では買戻し需要もあると考える。この他、ウクライナがハルキウ州のほぼ全域を奪還したことも好材料と考える。ロシアは戦争継続の方針を示しているが、一部ではロシア軍が大敗を喫したとの見方もある。ウクライナ情勢は昨今のインフレを悪化させた一因でもあるため、状況の改善は相場を下支えしそうだ。
(9/14記 投資情報部 藤本)