上値は重いものの、戻りを試す展開か
2/22~2/25の米国株式市場はウクライナ情勢への緊張緩和が進んでおり戻りを試すと想定するが、上値は重いと予想。ハイテク企業の決算に注意したい。
ウクライナ情勢はロシア軍の一部が撤退を始めたとの報道を受け緊張緩和に向けて動き始めた印象。3月に入るとウクライナは雪解けで泥沼になり、軍事行動が困難になるとされる。またもともとウクライナ周辺に展開するロシア軍の規模もウクライナ全土の制圧には不十分との分析もある。緊張緩和は戻りを試す材料になりそうだ。
ただ、金融引締め懸念が上値を抑制しそうだ。1月の米CPIは前年比7.5%上昇し、1982年以来の伸び率となった。市場では3月に50bpの利上げが実施されるとの見方が台頭。2/10には一時的に3月のFOMCで1.8回程度(1回=25bp)の利上げを織り込む水準までFFレート先物の金利が上昇した。FRBが明確に否定しないかぎり、金利先高観が残ると考える。
企業決算では2/22にパロアルトネットワークス(PANW)、2/24にゼットスケーラー(ZS)、ブロック(SQ)などハイテク企業の決算が控える。昨年11月以降多くのハイテク企業で売り先行の展開が続く傾向にある。ブロックは信用売残が浮動株の12%(1月末時点)に達しており動向に注目か。さらに翌週の2/28にはズームビデオコミュニケーションズ(ZM)、3/1にセールスフォース(CRM)などの決算も控え、前哨戦としても注目か。
(2/16記 投資調査部 藤本)