
WHO(世界保健機関)が発表した2023年版の世界保健統計によると、平均寿命(男女)が最も長い国は日本で84.3歳だった。男女別では、男性はスイスが81.8歳、女性は日本が86.9歳でそれぞれ1位に。日本の男性は81.5歳で2位だが、その差は0.3歳と僅差。なお、データは2019年の推計値。
平均寿命が延びることは良いことだが、ここで問題になるのは生活の質。健やかに暮らすためには、健康寿命(健康上の問題で日常生活が制限されることなく生活できる期間)を伸ばし、平均寿命との差(不健康な期間)を縮めることが重要な課題になってくる。2019年では男性8.73年、女性12.06年と徐々に縮小傾向に。

2025年に「団塊の世代」(1947~1949年に生まれた人、出生数で約806万人)がすべて後期高齢者(75歳以上)となり、超高齢化社会に突入する。高齢化が進む中でも社会・経済の活力を高め、社会保障制度を持続可能なものとしていくためにも、生活の質を高めることが重要か。

厚生労働省は2019年に「健康寿命延伸プラン」を策定。2040年までに健康寿命を男女ともに2016年に比べて3年以上延伸し、75歳以上とすることを目指している。「次世代を含めたすべての人の健やかな生活習慣形成」、「疾病予防・重症化予防」、「介護予防・フレイル対策、認知症予防」の3分野を中心に取り組みを推進している。関連する銘柄に注目したい。
(投資情報部 大塚)